フォレックス市場の主要プレーヤー

では、1日の取引高がこれほど膨大なFX市場を生み出す立役者である主要プレーヤーを見ていきましょう。

1. 政府と中央銀行： 国の政府と中央銀行は、自国通貨を売買し、外貨準備高を調整することにより、当該通貨の価値上昇または下落においてFX市場で重要な役割を果たします。中央銀行は自国内のインフレ圧力を強化または緩和するためにFX市場に介入することができますが、 一般的に、自国通貨安は輸出を活性化し、輸入品価格の上昇につながります。
2. 市中銀行と金融機関： 市中銀行と金融機関は、輸入や輸出などの顧客の外国為替ニーズに対処するほか、小規模な他行との取引に従事します。その他の金融機関としてヘッジファンドや投資顧問もFX市場に参加して多額の取引を行う可能性があります。
3. 利益を本国に送金する企業や多国籍企業： トヨタの例で考えてみましょう。同社は英国で工場を稼働しており、日本の親会社に年間利益を送金することを望んでいます。ポンド建ての利益を円に転換できるようにするには、FX市場を経由する必要があります。あるいは、多国籍企業がある国の支店の資金を別の企業の支店に送金することがあります。
4. 海外資産を購入する投資家： 例えば、欧州投資家が米国取引所の株式を購入する場合、ユーロを米ドルに転換する必要があります。
5. 投機家： 投機家は高リスクの金融取引に従事し、取引可能な金融商品の短期的価格変動から利益を得ます。
6. 観光客や旅行者： 個人観光客や旅行者は市場に大きな影響を与えないかもしれませんが、観光業界のトレンドはFX市場に影響する可能性があります。例えば、英国市民は夏期に南欧州にバケーションに行くときに、ポンドをユーロに両替する必要があります。各旅行者が及ぼす影響は小さいかもしれませんが、数百万人の観光客の影響が累積すると、通貨レートに影響する可能性があります。これは逆方向に影響する可能性もあります。経済規模が小さい国に多数の観光客が入国すると、その国の通貨高につながる可能性がありますが、通貨安は観光目的地としてその国の魅力を高めることになります。