数百の通貨があるため、それぞれを監視するのは現実的ではありません。主要通貨は米国の米ドル、ユーロ圏のユーロ、英国のポンド、日本の円です。
一般的に各国は自国通貨を維持しています。ただし、複数の国が同盟を組み、共通通貨を導入する場合があり、ユーロ圏はその代表例です。ちなみに、一部の欧州連合加盟国は自国通貨を保持しています。また、自国通貨の価値を別の通貨と連動させている国もあります。例えば、複数のカリブ海と中米諸国は対米ドルレートを安定的に固定させています。他の国でユーロと通貨を連動させているケースもあります。
トレーダーはISO(国際標準化機構)の通貨コードに慣れ親しんでおくとよいでしょう。これら略称は市場参加者によって広く使用されています。ISO 4217では通貨表示の英数字を標準化し、個別通貨とその補助単位の間の関係に関する情報を提供します。通貨はそれぞれを区別しやすいように、記号にも関連付けられています。主な例を挙げると米ドルはUSD、ユーロはEUR、英ポンドはGBP、豪ドルはAUD、カナダドルはCAD、スイスフランはCHFです。各通貨に固有の略記号があり、最も流通量が多く、よく取引されるものを下表に列挙します。
通貨 | コード | 記号 |
---|---|---|
米ドル | USD | $ |
英ポンド | GBP | £ |
円 | JPY | JP¥ |
ユーロ | EUR | € |
スイスフラン | CHF | ₣ |
中国人民元 | CNY | CN¥ |
豪ドル | AUD | A$ |
カナダドル | CAD | C$ |
ロシアルーブル | RUB | ₽ |
インドルピー | INR | ₹ |
通貨取引の仕組み
株式の購入と概念は似ています。ある企業の業績が順調だと考える場合、株価が上昇すると期待して株式を購入します。外国為替では企業の株式を購入する代わりに、同じ根拠に基づき国の「株式」、すなわち通貨を購入します。特定国の経済が順調であると考える場合、その国の通貨レートが上昇するという期待に基づき、その通貨を購入します。