リテールタイプのFX取引が外国為替市場全体に占める割合は小さなものです。この形態の取引では、個人トレーダーは物理的に通貨を売買しません。ポンドの購入に円を所有する必要も、ロシアルーブルの購入にスイスフランを所有する必要もありません。代わりに、2通貨間の為替レートの方向性を憶測し、差金決済(CFD)という形で円滑に取引できる仕組みになっています。
通貨ペアレートの上昇を見込む場合はロングポジション(基軸通貨の買いと決済通貨の売り)を組みます。逆に、レートの下落を見込む場合は、ショートポジション(基軸通貨の売りと決済通貨の買い)を組みます。
CFDの定義
差金決済(CFD)商品とは、市場参加者が実際に資産を所有せずに、価格動向を推測できる金融商品です。トレーダーが原資産となる金融商品価格の上昇と下落の両方を推測できるデリバティブ(派生)商品で、多様な市場での投機によく利用されます。CFDとは投資家(契約の買い手)とブローカー(契約の売り手)という2当事者間の契約です。この契約では、売り手が原資産の現在価値と契約終了時の価値との差額を買い手に支払う旨が規定されています。支払いはトレーダーがポジションを手仕舞うと決断した時に行われます。差額がマイナスの場合、買い手が売り手に支払います。